「たまゆら - Amarcord -」若林和恵

「心を委ねる器」へ、その変遷の全て。

イタリアと日本、それぞれの技と世界を想う感性の融合。

「希望と不安」、「光と影」。
相反するものが一つの器に共存する、若林和恵の銀漆彩磁器。
イタリア陶芸の聖地・ファエンツァでマヨリカ焼を学ぶと、帰国後はその技法に上絵付けや銀彩を加え、独自の色彩表現に挑んだ。
やがて、漆も組み合わせた新たな境地を切り拓くと、コロナ禍で体験した内省の日々が作陶を大きく変える。
釉、上絵、銀彩、漆の多層的な色の重なりを「絵画的に捉える」ことで、一瞬の記憶や感情を器に留める表現へと昇華させ、2023年、「第10回菊池ビエンナーレ」大賞受賞の快挙を果たした。
世界で起きるさまざまな事象に直面し、美しさだけではない、混沌とした心情のよりどころとなる器への圧倒的な変化と深化。
ここに至る若林和恵の作陶の軌跡の全てが一堂に会します。
木工などの異素材を組み合わせた、さらなる可能性を感じさせるシリーズも登場。
緑ヶ丘美術館でしか出会えない貴重な展覧会を、ぜひご高覧ください。

  • images色絵銀漆彩陶筥「たまゆら」備前・現代陶芸ビエンナーレ2024 入選
    H18.0 × Φ33.8 cm
  • images色絵銀漆彩陶筥「ありく(在り来)」第6回 金沢・世界工芸トリエンナーレ 入選
    H18.5 × Φ30.2 cm
  • images色絵銀漆彩陶筥「ゆかし」第65回 東日本伝統工芸展 東京都知事賞
    H20.4 × Φ30.7 cm
  • images銀彩花器「みぎわ」H27.0 × Φ17.0 cm
  • images銀彩ワインカップ/水指「恋草」/La bottiglia di vino
    H12.5~13.0×ф7.5~8.0cm H18.3×ф18.0cm H25.5×ф6.2cm
    (木工 夕川泰之)(蓋:木工 夕川泰之)(木工 夕川泰之)
  • imagesBox「for memories」/Box「for secrets」/Box「for favorites」H15.0×ф23.7cm H13.0×ф20.5cm H16.5×ф22.2cm
    (蓋:木工 夕川泰之)(蓋:木工 夕川泰之)(蓋:木工 夕川泰之)
  • images色絵銀彩器「汀渚」第69回 日本伝統工芸展 入選
    H8.0 × W47.5 × D50.5 cm
  • images色絵銀彩波文鉢第66回 日本伝統工芸展 入選
    H9.5 × W50.5 × D50.5 cm
  • images色絵銀彩波文陶筥第64回 日本伝統工芸展 入選
    H14.4 × Φ31.0 cm
  • images色絵銀彩波文鉢萩大賞展Ⅳ 入選
    H25.0 × Φ44.8 cm
  • imagesLe increspatureH8.5 × Φ42.8 cm

[芸術の原風景と出会う]「たまゆら - Amarcord -」若林和恵

圧倒的な変化を遂げた銀漆彩磁器、その変遷のすべてに出会う

初めて若林先生の個展を訪れたとき、明るい色彩と深みのある色の層が織りなす、斬新な色絵銀彩の作品に目を奪われました。それから数年、技法や表現の圧倒的な変化と深化を遂げ、2023年には「第10回菊池ビエンナーレ」で女性初となる大賞受賞の快挙を果たされました。幾度となく壁に直面するたびに、技法を模索し、研鑽を重ね、折々の心情を新たな表現へと昇華させることで乗り越えてこられたのです。今回の展覧会では、その道程のすべてをご覧いただければと思います。

東京藝術大学で陶芸を学ばれた若林先生。その創作の原体験は、幼少から通っていた絵画教室に遡ります。絵を描くことに親しみながら成長された若林先生は、大学で陶芸を専攻するも、やはり身に染み込んだ絵画の素養から、カラフルな絵付けによる作陶に取り組まれました。そして大学院を修了後、イタリアを代表する陶芸「マヨリカ焼」の色彩に惹かれ、陶芸の聖地と称されるファエンツァに留学されます。ファエンツァ国立陶芸美術学校でマヨリカ焼を学びながら、放課後は工房で作陶に励む日々を5年間送られました。

帰国後、マヨリカ焼の技法に銀彩の上絵付けを組み合わせた作陶を始められます。
学生時代から京都の寺社で見ていた、襖絵(ふすまえ)や屏風(びょうぶ)の経年変化した銀箔の色や箔の重なりによる風合いが心に残っていたことも、その理由の一つだったそうです。明るい色に青や銀など上絵付けを重ねることで、深みのある色の層を成す水玉模様は、若林先生の代名詞となりました。そして、イタリアと日本、それぞれの感性が融合していく作品の世界観は、さらに漆の技法を加えることで大きな転機を迎えられます。漆を塗布することで銀の輝きが抑えられ、セピア調の落ち着いた雰囲気が、作品の美しさを円熟の域に引き上げたと言えるでしょう。

今や、若林和恵という陶芸家は、世界の調和にまで想いを馳せ、作陶されています。陶芸としての美に留まらない、私たちに何かを語りかけてくるような凄みを纏っているのです。その作陶の軌跡を辿りながら、作品が放つ「生きる力」を感じていただければ幸甚です。

緑ヶ丘美術館 館⻑ 菅野一夫

ショッピング案内shopping

緑ヶ丘美術館でのみの限定販売となります

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<数量限定>一筆箋 30枚綴り 2種
販売価格
各 500円


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<数量限定>レターセット 封筒3枚・便箋10枚組 3種
販売価格
各 1,000円